年下男子は恋愛対象になりますか?
「だから、俺が無理やりしたとしても相殺されるよな?」

「な、何を!?」

次の瞬間、右耳に生暖かい感触が伝わる。
何が起きたのか分からなかったけど、耳にキスされたのだとすぐに理解した。

逃げられないから下を向くしかなくて。

「ちょっ、やめ」

「顔あげろよ」

顔を上げたら口にされそう気がする。
それだけは嫌だから頑なに向かなかった。

手に冷や汗がじっとりと滲み、ドクンドクンと胸が鼓動する。

「……俺のこと好きになれよ?」

左手は掴まれて自由に使えないから、使えるとしたら右手と両足のみ。どうするべきか考えていた時、靴下を履いている健太の足が見えた。

「こ、こんなこと無理やりされて好きになんかなるか!バカ!」

精一杯の力を右足に込めて、健太の足を踏みつける。

「い……ってぇ」

そして身体が離れた隙におもいっきりビンタした。

隼人君、ごめん。
< 460 / 726 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop