年下男子は恋愛対象になりますか?
髪を乾かしてくれたあとはコーヒーを淹れてくれた。

この部屋にやっぱり似合わないイルカとアザラシのマグカップ。

こないだ買ったチョコミントのお菓子も一緒に出してくれて、テレビを観ながら他愛もない会話をする。

ここならあまり顔を見られないだろうと思って隣に座ってみたけど、距離が近くてドキドキしっぱなしだった。

お互い昨晩のことには触れてないのに、ずっと何とも言えない空気が流れている。



「俺、夕方からバイト入ってるんです」

今は午後の1時を過ぎたあたり。思い出したように隼人君が言った。

「うん。その頃には服も乾いてるだろうから、隼人君が出る時に私も帰るね」

「あー…、そうじゃなくて、あの。嫌ならハッキリ断ってくれていいんですけど」

なかなか言わないので横を向こうとしたら、隼人君が私の耳元で囁いた。

「今日も泊まって行きませんか?」と。

そのあとに勘違いしないで下さいとか、やましい気持ちはなくて一緒にいたいだけなんですとか色々言っていたけど、それらの言葉は頭に入ってこなかった。
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