年下男子は恋愛対象になりますか?
「由夏さん?やっぱり寝る準備だけでもしておいた方がいいですって」

答えられないでいたら隼人君がそう言った。

まだ赤いだろうけど、ゆっくりと顔を上げる。いつまでもこうしてるわけにはいかなかったから。

私のことを覗き込んでいたみたいで、目の前には隼人君のどアップ。髪が濡れていて色気が倍増されている。

「そんな顔であんまり見つめないもらえますか?その……、色々とまずいので」

隼人君が赤くなったので私もつられた。いや、私が赤いのは前からか。

「え、ごめん!かっこいいなって思って、つい。こ、今度は私が髪を乾かしてあげるね!ゲームはその後にやろ」

やだ、そんな顔ってどんな顔してたんだろう。恥ずかしすぎる……

「由夏さん」

立とうとしたら腕を掴まれた。
隼人君の顔が近付いてきたので目を閉じる。

でも、しばらく経ってもキスされることはなかった。

「………すみません、キスしたら止められなくなりそうなのでやめておきます。昨日の今日で無理をさせたくないですし」

いやいやいや、私キス待ちの顔しちゃったんですけど!

とっくに跡なんて消えているのに、思わず左手首を右手で押さえた。初めてキスマークを付けられた場所でもあり、こないだの喧嘩の大元でもある場所。
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