年下男子は恋愛対象になりますか?
お言葉に甘えることにして、スマホに視線を戻した。学園祭のスケジュールをまだ確認していなかったので、公式ホームページを開いて確認する。

「え」

地元の大学での学園祭は10月31日の土曜日。隼人君の誕生日だった。

キッチンに立っている姿を覗き見ると、さっきの声には気が付いていない様子。

余計な気を遣わせたくないので、このことは教えないようにしようと思った。でも、これって隠し事になるのかな。

地元のに行けないとなると、別の日の学園祭に行きたい。隼人君の夏休み明けの予定も確認しなきゃ。

って、あれ?

「お待たせしました。簡単な物ですみません」

テーブルの上に置かれたのは、ハムとチーズのホットサンドとサラダ。その後に飲み物やドレッシングを持ってきてくれた。

「ありがと。ねぇ、隼人君の大学の学園祭っていつ?」

「11月の上旬です」

「そっか。じゃあ、しばらく忙しくなるね」

何で教えてくれなかったのと聞きたかったけど止めた。こないだのあの子が頭をよぎったから。

浮かんできた黒いモヤモヤを、頭の中でグシャグシャに丸めて追い出す。

「俺はサークルにも部活にも入ってないですし、普段とそんなに変わらないですよ。行く予定もなかったですし。だから、会える日は会いましょうね?」

そう言って横に座ってきたと思ったら、またキスされた。
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