年下男子は恋愛対象になりますか?
「佑介が私に何の用?」

そもそも佑介が私に用事がある時は少ないけど、こういう時は美樹を通して言ってくるのに。

「健太へのブロックを解除してもらいたいみたい。何度も断ってるんだけど今回ばかりは諦めてくれなくてさ、由夏に会わせろって言い始めた」

さっきまでとは違い、苦笑いを浮かべる美樹。そんなこと初めて聞いたから驚いた。

「えっと、来るとしたら佑介1人?ここじゃなくて他のお店で会うなら……」

「健太は東京にいるからそこは安心して。それと、話がややこしくなりそうだから会うならこの店の方がいいと思うよ?」

返答に困って、残り少なくなっていたウーロン茶を飲み干す。美樹のグラスも空になりかけていたので、少し考えたのちに呼び出しボタンを押した。

「分かった。ここで会うから佑介にそう返事しといて」

美樹にこれ以上迷惑かけたくない。
健太がいたら困るけど佑介だけなら会える。それは無理だってはっきり伝えなきゃ。

佑介が来る前に隼人君に伝えておきたかったけど、来てくれたのは最初にオーダー取りに来てくれた男性店員だった。

「吉澤じゃなくてすみません。アイツ今、手が離せなくて。お姉さんが彼女さんだったんですね。お姉さんのこと口説こうと思っていたのに残念だなー」

フレンドリーな態度に戸惑いつつも、飲み物を注文してから追加で1人来ることを伝える。

隼人君に塩対応でって言われたけど、そんなこと出来るわけがない。
< 540 / 751 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop