年下男子は恋愛対象になりますか?
***

「えー、いいじゃないですか。今さら恥ずかしがることじゃないですって。それに、この方法が1番だと思いますけど」

「無理!明るいから絶対に無理!」

隼人君の家に着いて早々、私達はこんな会話をしていた。

「じゃあ電気消しましょう」

「それはそれで怖いから無理!それに……、絶対何かしてくるでしょ」

「でも1人で入るのも怖いんですよね?だったら」

いつもは折れてくれるのに、今日はなかなか折れてくれない。お互い譲らないので話は平行線のまま。

「だって無理なものは無理なんだもん」

「俺のこと大好きっていうのは嘘ですか?美樹さんにそう言ってくれてるんだなって、凄く嬉しかったんですけど」

このタイミングで意地悪な隼人君が再来した。分かってるくせに本当にズルい。

「……っ、隼人君のバカ」

「由夏さんが悪いんですよ?俺と一緒に行きましょうって言ったのに、1人で映画観て来たからこうなったんです。合鍵も使ってくれませんでしたし」

揉めてる原因はお風呂。1人で入るのが怖いから、ドアの前で待っていてほしいってお願いしたらこうなった。

そう言われるとは思っていたけど、ここまで折れてくれないのは予想外。

「だから、それはごめんって言ってるでしょ。次からは映画に誘うし、合鍵も使うから!」

怖い気持ちと恥ずかしい気持ちで、私の感情は忙しかった。
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