年下男子は恋愛対象になりますか?
「じゃあ、じゃんけんで決めましょう。由夏さんが勝ったらドアの前で待っています。でも俺が勝ったら一緒に入りましょうね」

「……隼人君てじゃんけん強い?強いからそんなこと言えるんだよね?」

隼人君としたことないけど、私よりも強そうだとは思う。

「あまりしたことないので分かりません。話し合いで解決しなそうですし、じゃんけんも嫌なら我慢して1人で入って下さい」

笑顔で痛いところをついてくる。
怖いのを我慢するか、恥ずかしいのを我慢するか。

いや、私が勝つかもしれないし今はそれにかけるしか……

「わ、分かった。じゃんけんする!1回勝負ね。最初はグー、じゃんけんぽん」




「良いって言うまでどこにも行かないでよ?それに絶対こっちは見ないでね」

「……分かってます。ってか何の罰ゲームですかこれ」

「ごめん。何て言ったか聞き取れなかったからもう一度言ってもらえるー?」

大声で話しかけながら髪と身体を洗う私。
ドアに背を向けながら洗面所で待っててくれる隼人君。

意外にもじゃんけんに勝ったのは私だった。

「何でもないです。それよりも出たら覚悟していて下さいね」

「えー、何?」

シャワーの音と重なって声がよく聞こえない。でも、隼人君は何て言ったか教えてくれなかった。

「隼人君ありがとう。もう出るから戻ってくれて大丈夫だよ」

すりガラスのドアなので、中からも外の様子が何となく見える。だから、隼人君の影が見えなくなってからドアを開けた。
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