年下男子は恋愛対象になりますか?
【35】学園祭シーズン突入とプレゼント
9月中旬になって隼人君の長い夏休みが終わった。とはいっても平日は私が仕事してたし、特に変わることもなかったんだけど。

金曜日。いつものように隼人君の家でバイトが終わるのを待っていた私は、ベランダで美樹と電話中。

『隼人君と土日会わないのって久しぶりだろうけど、寂しくても我慢してね?』

「ずっと会えないわけじゃないんだから、別に寂しくないってば」

ライブ仲間と会ったら気持ちが切り替わるだろうし、声が聴きたくなったとしてもスマホがあれば電話できる。

『そう?でもさ、予定ない日に誕生日プレゼント探すとなると会う時間減らない?』

「土日じゃなくて仕事終わりに探す予定だから大丈夫。暇な日あったら美樹も付き合ってよ」

『オッケー。あ、あとさ手料理作ってあげたら隼人君もっと喜んでくれるんじゃない?』

私が料理苦手なの美樹も知ってるくせに。

アパートで一緒にご飯食べる時はほとんど隼人君が作ってくれてるし、今から練習したとしても私の方が絶対ヘタなわけで。

「あー、それも一応考えたんだけどね。食べに行くか、買ってきたものじゃダメかな?」

隼人君の好きなもの食べに行こうってなった時はカフェとか洋食屋さんばかりだし、料理初心者にはハードルが高すぎる。

『何言ってんの!こういうのって出来映えじゃなくて、自分の為に作ってくれてるっていう気持ちが嬉しいんだから。手巻き寿司とかどう?』

「うーん、考えてみる。あ、そろそろ隼人君帰ってくると思うから切るね」

『はーい。じゃあ、またね』

こんなことなら普段から料理しとくんだった。
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