年下男子は恋愛対象になりますか?
それから1週間が過ぎて、また金曜日がやってきた。

館内放送で流れてくる蛍の光。
スマホで時間を確認すると、もうすぐ夜の9時になるところだった。今いるショッピングモールの閉店が近づいてきている。

「あー、今日も決まらなかった」

仕事終わりの時間だけじゃ厳しいかも。
だからといって、隼人君と一緒に来るわけにはいかないし。

そろそろ目星だけでもつけなきゃ。
でも、20歳の誕生日だし妥協したくない。

駐車場へ向かっていると、隼人君から電話がかかってきた。毎週金曜日のバイト休憩中には必ずかけてきてくれている。

『こんばんは。何か欲しい物あります?あれば帰りに買って行きます』

「ううん、大丈夫。いつも気遣ってくれてありがと。隼人君こそ欲しい物あったら言ってね?」

『俺も特には……って、由夏さん今どこにいます?外ですよね?』

「用事があってショッピングモールに来てたの。これから隼人君の家に向かうとこ。じゃあ、バイト頑張ってね。会えるの楽しみにしてる」

不自然な切り方だったかも。
理由聞かれたら隠しきれないだろうし、何も怪しまれていませんように。

運転中もプレゼントのことで頭がいっぱいだった。合鍵を使って隼人君の家に入ってからも、ずっとそのことばかり考える。

"彼氏 誕生日プレゼント 初めて"
"彼氏 20歳の誕生日 プレゼント"

最近の検索履歴はこんな感じ。

隼人君が私にくれたのは誕生石のピアス。
まだ付き合う前だったし、きっと私より悩んだよね。

バイトから帰ってきた隼人君におかえりって言うと微笑んでくれて、今日もまたキスをしてくれた。
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