年下男子は恋愛対象になりますか?
「由夏さん、そろそろ起きて下さい」

「んー?あと5分……いや、3分経ったら起きる」

隼人君の声が聞こえるけど、まだ眠いから目を開けられそうになかった。くっついて寝るのって本当に気持ちいい。

「起きないと寝顔撮っちゃいますよ?いいんですか?」

「んー」

次の瞬間聞こえてきた、カシャカシャカシャと連続するシャッター音。

目を開けるとスマホのレンズがこっちを向いていて、本当に撮られたのだと理解した。

「なっ」

「おはようございます」

連写してたくせに爽やかに言わないでよ。
おかげで目が覚めたけど、寝顔撮られるのは嫌なの。

もしかして、今回だけじゃなく前にも撮ってたりする……?

無理、恥ずかしすぎる。

「お願いだから消して!」

「俺が消したって言っても信じてくれないでしょうから、由夏さんが消して下さい」

「え、いいの?」

何かしら条件出してくると思ってたから、すんなりスマホを渡してきたことに驚いた。

「はい。由夏さんに見られて困るようなものはないですし」

逆に怪しい。もしかして何か企んでる?

恐る恐るフォルダを開いてみても、さっき連写された写真以外で隠し撮りされたものはなさそうだった。

「はは、そんな顔しないで下さいよ。由夏さんの無防備な姿を誰にも見せたくないんで、そういうのは撮らないようにしてるんです。何かの拍子にフォルダ開かれる可能性もありますからね」

「……隠しフォルダとかない?」

「ないですって。もしかして、かなり疑われてます?」

悔しいな。いつも隼人君のペース。
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