年下男子は恋愛対象になりますか?
「少し、ね」

「疑ってる顔も可愛いです」

このタイミングでキスする?
そういう流れじゃなかったと思うんだけど。

「……なんかバカにされてる気がする」

「何でそうなるんですか。本心ですって。由夏さんは何をしていても可愛いですよ」

「ありがと!そんなこと言ってくれるの隼人君だけだけどね!」

笑われたあとにまたキスされた。
やっぱり隼人君はキス好きだよね。
隠し撮りの件はさっきの言葉を信じるよ。

「そろそろご飯食べましょうか。用意してきますから支度して下さい」

「ううん、私も手伝う」

隼人君に続いてキッチンに行こうと思ったら珍しく止められた。これはきっと何を言っても聞き入れてくれないやつ。

着替えて髪をセットしてメイクする。
洗面所から戻ると、テーブルにおにぎりと漬物が置いてあった。

「ごめん、遅くなっちゃった」

「全然大丈夫です。今日はパンツスタイルなんですね。久しぶりに見たような気がします」

「ライブの日はいつもこんな格好なの」

「初めて会った日のこと思い出しますね。お味噌汁温めてくるので由夏さんは座ってて下さい」

「私がやるから隼人君はそのまま座ってて」

ソファーから立ち上がろうとした隼人君を静止してガスコンロに向かう。鍋の蓋を取って火を付けたところで横にやってきた。

「一目惚れとかされないで下さいね?」

表情からして本当に心配してるわけじゃなさそう。また私に言わせる気なんだろうな。

「されたら連絡先交換するって思われてるってこと?」

「はは、由夏さんてたまに意地悪になりますよね」

「隼人君よりはマシだと思いまーす」

そのあと好きだよって言ったら、大好きって言ってほしかったですって返された。口には出さないけど、いつもそう思ってるよ。
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