年下男子は恋愛対象になりますか?
「それでね、彩と勇太の結婚祝いとして動画をプレゼントすることにしたの。私達と出会った頃からの写真をまとめるんだ。晴香が提案してくれたんだよ」

シャワーを借りて髪の毛を乾かしてもらっている時、昨日と今日あった出来事を隼人君に聞いてもらっていた。

聞き上手だから色々と話しちゃう。

「へぇ、由夏さんが彩さん達と出会ったのはいつ頃なんですか?」

「んー?高校生の頃だよ。初めてライブハウス行った時、色々親切にしてくれたの。クラウドから写真を探さなきゃいけないんだけど、見入っちゃって進まないんだよね」

隼人君の手が止まった。
ドライヤーのスイッチは切らないままだから風が吹いてくる。

「えっ、その写真ってスマホから見れるんですか!?高校生の頃の由夏さん見たいです」

「…………恥ずかしいから無理」

しくじった。こうなることまで考えないで話しちゃった。どうにか諦めてくれないかな。

「お願いします。どうしても見たいです」

ドライヤーを床に置いたと思ったら後ろからギュっと抱きしめられた。参ったな、全然諦めてくれそうにない。

「そんなに見たい?」

「はい、もちろんです」

「隼人君の昔の写真も見せてくれる?」

「由夏さんが見たいならいいですよ。スマホには入ってないんで、今度実家に帰った時に探してきます」

隼人君は恥ずかしくないのかな。
ま、昔からカッコ良さそうだもんね。

「じゃあ動画完成したら見せてあげる」

「しばらく先じゃないですか」

「写りがいいやつ探すから時間かかるの」

「はは、どの写真の由夏さんも可愛いと思いますけどね」

「それはありがと。でも完成するまで見せないからね?もう遅いし寝よ?」

この話題を終わりにしたくて話をそらした。

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