年下男子は恋愛対象になりますか?
『いやいやいやいや、何で起こしてくれなかったんですか!?』

「えー、だって朝早いし起こしたら悪いと思って」

自宅から会社に向かう車の中で、スピーカーにしながら隼人君と電話していた。

アラームの設定時間より早く目が覚めて、隼人君を起こさないように帰ったのが事の発端。

玄関の鍵を閉める時にガチャンって音しちゃったけど、それでも起きなかったのは熟睡してたからだよね。寝たの遅かったし。

家を出る前にスマホを見たら着信があったから、車に乗り込んでから折り返しかけた。

『いやいやいやいや、そんなこと気にしなくて大丈夫ですから!むしろ起こしてくれなかった方がショックなんですけど』

今日の隼人君はいつになく「いや」を連呼してる。珍しい。逆の立場だったら隼人君も同じことしたと思うんだけど、どうだろう。

「ごめんね?次からは必ず声かけるから」

『絶対ですよ?由夏さんほとんど寝てないでしょうし今日は早く帰って寝て下さいね?』

「うん。そうする」

今日もプレゼント探しに行くつもりだけど、体調の心配されそうだから隼人君には内緒。財布のチェック出来たからそのお店に行って来るよ。



その日から仕事終わりにお店に通うようになり、何を買うかまだ悩んでいた金曜日の夜。バイトから帰ってきた隼人君が意外なことを言ってきた。

「明日、由夏さんと行きたい場所があるんですけど」

「いいよ。どこ?」

「由夏さんが最近毎日行ってるお店です。今日も俺の家に来る前に行って来たんですか?」
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