年下男子は恋愛対象になりますか?
「え?お店って何のこと?」

動揺を隠したつもりだけど、目も泳いでるだろうし隼人君には多分バレてる。それに、今日ここに来る前に寄ったのも事実。

お店行ってること内緒にしてたのに、何でそのこと知ってるんだろ。笑顔なのが逆に怖い。

「由夏さんに似てる人がメンズショップに通ってるって目撃情報があったんです。店員さんと親しそうに話してるとも聞きました。お友達、ですか?」

「友達でも知り合いでもないよ」

「へぇ。そんな人と毎日のように親しく話してるんですね。いつも色々話してくれるのに、何でそのことは話してくれないんですか?」

「ちょ、ちょっと待って。先に言っとくけどやましいことはないからね?私はただ……」

勘の鋭い隼人君が気が付かないってことは、あのブランドあんまり好きじゃなかったってこと?

え、そうだとしたら最初から選び直しなんだけど。っていうか誰から聞いたんだろ?

誕生日プレゼントを選んでるって伝えたらサプライズ失敗になる。でも、誤魔化したりしたら更に怪しまれるだろうし、この際好きな物を選んでもらうのもアリ?

「由夏さん?」

隣に座って目を見ながら追い詰めてくる。
これは今言わないとダメなやつ。

「ただ、隼人君の誕生日プレゼントを探してただけだよ。いいよ、せっかくだし明日一緒に行こ?」

驚かせようと思ったのに何でこうなっちゃんだろ。サプライズって私には向いてないのかも。

目を丸くして驚いている隼人君。
何も言わないってことは、私がプレゼント探してるって本当に思っていなかったのかな。

気づいても知らないふりしてくれそうなタイプなのに。
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