年下男子は恋愛対象になりますか?
隼人君が先に出てくれて、そのあとに私が出た。いつもどちらかの髪を乾かしてから入るから2人同時に濡れてるのは珍しい。

「何か飲みますか?」

初めて一緒に入ったのに隼人君の態度いつもと変わらないし、ドキドキしてるのはきっと私だけ。長く入りすぎたせいで暑いのもあるだろうけど。

「うん、貰おうかな」

私がソファーに座ってから、タオルを肩にかけたままの隼人君が冷蔵庫を開けに行く。

「今日はお酒買ってきたんですね。何にします?」

「今は水かお茶が欲しいかも。お酒一緒に飲みたいってずっと思ってたんだ。今日か明日飲もうね?」

買ってきていたのはアルコール度数が低いチューハイとビール。シャンディガフを作る用のジンジャエールもある。

ボトルワインとかも考えたんだけど、飲みやすいお酒で検索してこうなった。

「じゃあ明日にしましょうか。二日酔いでライブ行きたくないですし」

ペットボトルの水を渡してくれたあと、当たり前のようにドライヤーのスイッチを入れていた。今日はソファーの後ろに立って乾かしてくれるらしい。

視界に入った真っ黒でオシャレなデジタル時計。時刻はもうすぐ0時半になろうとしているところ。

「って、ダメだよ!私が乾かしてあげるから交代しよ」

「はは、何でですか。このまま乾かしちゃいましょうよ」

「誕生日だから隼人君優先なの。ほら座って」

無理やりソファーに座らせてドライヤーを奪う。さっきの水も自分で持ってくるべきだったよね。

この時間好きなんだけど、そんなに長くないからすぐに乾いた。

「ありがとうございました。今度は由夏さんが座って下さい」

「今日は自分でやるから大丈夫。隼人君はゆっくりしてて?」

「気持ちだけ受け取っておきます。由夏さんの髪の毛乾かすの好きなんでやらせて下さい」

ずるいな。そう言われると断れない。
誕生日プレゼントはいつ渡そう。
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