年下男子は恋愛対象になりますか?
今はすっぴんにメガネだし順番間違えたかも。
0時になったのと同時にプレゼント渡して、そのあとお風呂の方が良かったかな。

ドライヤーのスイッチが切れたタイミングで振り返ってみる。目が合ったら極上の笑顔を向けてくれた。

「……誕生日おめでと」

「ありがとうございます。由夏さんと一緒に過ごせて嬉しいです」

日付変わってから結構経つのに未だにおめでとうって言ってなかったし、行き当たりばったりすぎるよね。

「私も嬉しい。ねぇ、今プレゼント渡してもいい?それとも明日……いや、起きてからの方がいい?」

「由夏さんのタイミングで大丈夫です」

本人にこんなこと聞くのもどうかと思うけど、それ答えになってないよ。もう渡しちゃおうかな。

悩みに悩んだプレゼント。中身を見た時さっきと同じように笑ってくれたら嬉しい。

「今取ってくるからちょっと待ってて?」

「じゃあドライヤー片付けてきちゃいますね」

隼人君が移動したタイミングで私も立ち上がる。専用ボックスは部屋の片隅に置いてあるから、その中から焦げ茶色の紙袋を取り出した。

「何でその中に入れてたんですか?」

「ひゃあ」

急に後ろから抱きつかれたせいで出た変な声。心臓に悪いから気配を消して近づいてくるのは本当にやめてほしい。しゃがんでるから体勢も不安定だし。

「だって鞄の横に堂々と置いておくのも違うかなって思って。いつから見てたのか知らないけど、見ないふりしてほしかった」

こういう時、他の人達はどうしてるんだろう。やっぱり会ってすぐ渡してるのかな。

「すみません。幸せすぎてテンションあがってるんで許して下さい」

「……テンション上がってたの?いつもと変わらなくない?」

「はい。表面上カッコつけていますけど、帰って来てからずっとヤバいです」

可愛い隼人君も好きだから、そんなことしなくていいのに。
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