年下男子は恋愛対象になりますか?
「……この体勢だと渡せないから、とりあえず離れてくれない?」

「そうですよね。すみません」

振り返ってみると隼人君はあぐらをかいていた。いつもと変わらない笑顔に見えるけど、テンション上がってるって本当なのかな。

「隼人君へのプレゼント、です」

うわー、緊張しすぎて敬語になっちゃった。
誕生日おめでとうって言ってから渡すべきだったかも。

それに、こんな場所じゃなくてせめてソファーに移動した方が良かったよね。押し付けるように渡しちゃったし最悪。

「ありがとうございます。開けていいですか?」

隼人君の笑顔パワーは凄い。
見るだけでモヤモヤが吹き飛ぶ。

「うん」

紙袋からラッピング袋を取り出し、結んであったリボンをほどいていく。その中に入っていた黒いケースが見えた時、いつになくドキドキした。

「腕時計じゃないですか!このデザインとってもカッコいいですね!」

私が選んだのは真っ黒なラウンド型腕時計。秒針だけ白になっているシンプルなもの。

早速、左手首につけて喜んでくれている。

「スマホあるし必要ないかとも思ったんだけど、隼人君に似合うと思って。無理につける必要はないからね?」

「何言ってるんですか!バイトの時は無理ですけど、それ以外は絶対つけますから!本当にありがとうございます!大切にします!」

反応が微妙だった時用にもう1つ買っていたものがあったんだけど、それはクリスマスに渡そうかな。専用ボックスの奥にでも隠しておこう。

「喜んでもらえたなら良かった」

隼人君の笑顔を見て私も笑う。
次の瞬間にされたふいうちのキス。何回目かのあと、手が服の中に入ってきた。

「すみません。ライブ前だし我慢しようと思ってたんですけど、やっぱり無理そうです」

「そ、そんなことわざわざ言わなくていいから!」
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