年下男子は恋愛対象になりますか?
そこにはさっきの若い男性がいた。
電車内では分からなかったけど、私より背が高い。

困ったような表情をしているのは、飲み物を買いたいのに私が占領していたから?って、今はそんなこと考えてる場合じゃないよね。とにかく何か買わなくちゃ。

急いで自動販売機のボタンを押した。
取り出し口に落ちてきたのは、普段飲まないフルーツジュース。やってしまったと思いつつも、平静を装いながらその場を離れる。

「遅くなってすみません。どうぞ」

特に飲みたい物があるわけでもなかったのに、払い戻しをする選択肢が浮かばなかったのは動揺していたせい。

「いえ、あの、さっきは本当にすみませんでした!」

顔を赤くしながら頭を下げられた。
もう気にしてないと言ったら嘘になる。でも、怒ってるわけじゃないし何回も謝らなくて大丈夫なのに。

そこまでされると、逆に申し訳ない気持ちにもなってくるわけで。

「大丈夫ですよ。気にしてないですから」

「あ、いえ、その」





「あ、あなたに……、一目惚れしました!」
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