年下男子は恋愛対象になりますか?
今言うと怒られそうな気がするとも言ってたよね。キスされそうになる直前でそんなこと聞いた私は酷い奴。

だと思ったのに問答無用でされたけど。

そのあと、誕生日おめでとうって書かれているチョコプレートを口に入れられた。チョコ好きなの知ってるから私にくれたのかな。

「もう少し飲んでから聞いた方がいいと思いますよ?」

「……教えてくれる気ないでしょ」

グラスの中身は空になったので、甘さを缶ビールで流す。シャンディガフよりこっちの方が好き。

「ありますって」

「怪しい」

不信感たっぷりの視線を送ると、隼人君がハハって笑った。また誤魔化すつもりなのかも。

「無意識だと思うんですけど、俺のこと"隼人"って呼んでくれる時あるんですよ。だから、その時は俺も由夏って呼んでます」

爆弾発言に飲んでる手がとまる。
固まっていたら再び唇が重なって、耳元で言われたさっきの話の続き。

「なっ……!?えっ、変なこと言うのやめてよ!やっぱり酔ってるでしょ」

「酔ってないですよ」

「絶対に隼人君の聞き間違いだから!」

恥ずかしさを振り払う為、今度は一気に流し込む。飲むペースや量のことなんて考えられなくなった。

ベッドの中で言ってるって、そんなこと嬉しそうに言わないで。確かに最後の方の記憶ないことが多いけど、そんなことあるわけないじゃん……!

「由夏さんがそう思いたいなら別にいいですけど。あ、もっとお酒持ってきますね」

冷蔵庫から新しい缶ビール持ってきてくれたし、酔わせて甘えさせる為の作戦かもしれないよね。やられっぱなしで悔しいから、私も何か言い返したいのに頭が働かない。

「隼人君のバカ」

「だから前もって言ってたじゃないですか。恥ずかしがって怒ってる由夏さんも可愛いです」

「もう寝る!おやすみ!」

ハイペースで飲んでいたせいか、眠気の限界も近付いてきていた。
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