年下男子は恋愛対象になりますか?
ベッドの上に移動して布団を頭からかぶる。

「寝るなら俺も入れて下さいよ」

「無理!隼人君とはもう一緒に寝ない!」

布団をめくろうとしてきたけど、必死に力を入れて抵抗した。大人げないのは分かってるけど、こうさせた隼人君も悪いんだからね。

「じゃあ俺はどこで寝ればいいんですか?由夏さんとイチャイチャ出来ないのは嫌です」

「知らない!」

明らかに笑いながら言ってるよね。
こうなったら本当に寝てやるんだから。


***


目を開けると隼人君がソファーに座ってスマホをいじっていた。デジタル時計に表示されている数字が、もうすぐお昼になることを知らせてくれている。

「あ、起きました?おはようございます」

「……おはよ。顔洗ってくる」

昨日のこと覚えてないんじゃないかってぐらい隼人君はいつも通りで、身体も特に疲れてる感じがしなかった。

「コーヒーどうぞ」

「ありがと。かなり寝ちゃってたみたいでごめんね」

「いえ、俺の誕生日に色々してくれて本当にありがとうございました。ゆっくり眠れたなら良かったです」

必殺キラキラスマイルが私に向けられる。
そのあとにされた濃厚なキス。

隼人君は酔っていて覚えてないのかもしれないけど、私はバッチリ覚えているわけで。ベッドに押し倒されて、とてつもなく恥ずかしくなる。

「は、隼人君のスマホ振動してない!?」

「あー、すみません。同じ大学の奴らからなので気にしないで下さい。何か今日お祝いメッセージ送られてきてるんです」

「でも」

グループメッセージなのかそのあとも振動が続いていて、隼人君がイラっとしながらスマホを取る。

「すみません、今電源切りますから」

「あれ、今のって」

そのとき見えた写真に思わず声が出る。
だって見覚えのある物だったから。

「俺への誕生日プレゼントらしいです。普通渡す前に写真なんて送ってこないですよね」

それは隼人君へのクリスマスプレゼントとして最終候補まで残っていた物だった。悩んだ末に違う柄のを買ったけど、キーケース2つもいらないよね。
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