年下男子は恋愛対象になりますか?
今日は早めに寝ることにした。
いつものように向かいあって横になる。隼人君はまだ申し訳なさそうにしていて、珍しく触れてこなかった。

「あのさ、私で良かったらいつでも話を聞くからね?」

「ありがとうございます」

バイトで相当嫌なことがあったんだろうけど、無理やり聞き出すことはしたくない。

「どうしたら隼人君の元気が出るかな?」

「こうして傍にいてくれるだけで充分です。由夏さんに離れられるのが一番ツラいんで」

「あれぐらいじゃ離れないよ。今の私の顔にも隼人君大好きって書いてあるでしょ?だから……、嫌じゃなければキスをしませんか?」

部屋の電気は豆電球になっている。
薄暗いオレンジ色の中で、隼人君の目を見ながらそう言った。

「嫌なわけないじゃないですか」

唇が優しく触れてすぐに離れる。
それで終わったから、私から抱きしめた。
元気出してって意味も込めたんだけど伝わったかな。

「起きたらいつも通りに過ごそうね」

「ありがとうございます。大好きです」

「うん、私も」

自分で言うのもなんだけど、精神的に大人になったと思う。付き合った頃にあんなこと言われたら、荷物持って帰ってたような気がするし。

「俺、由夏さんのこと絶対守りますから」

「何それ。私誰かに狙われてるの?」

「あー、すみません。大切にしますってことです」

私がクスクス笑ってたからか、隼人君も少し笑ったようだった。
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