年下男子は恋愛対象になりますか?
次の日は隼人君より早く目が覚めた。
部屋の中はまだ薄暗い。

体調大丈夫なのか気になったから、隣で寝ている隼人君のおでこにそっと触れてみる。熱くはない。

風邪ひいたわけじゃなくて良かった。
昨日のこと、もう気にしてなければいいんだけど。

「おはようございます」

手を離そうとしたら目を開けた。
いけない、長く触り過ぎたかも。

「おはよ。ごめん、起こしちゃったね。まだ早いから寝てていいよ。今日は私が朝ごはん作るから」

「いえ、俺に作らせて下さい。由夏さんの好きなもの作るって決めてたんです」

「私がやるって」

ピッと音が聞こえたあと部屋が明るくなった。ゆっくり休んでほしいのに起きようとしている。私が起こしちゃったせい。



***



「たまにはこういうのも良いね」

「そうですね」

お互い譲らなかったから、隼人君の提案で近くのパン屋に行っていた。気になったパンを適当に買って、手を繋いで帰っているところ。

空が澄んでいて綺麗だった。
隼人君はずっとニコニコしている。

あえて、そうしてくれてるのかとも思った。
だから私も昨日の話には触れない。

「あ、そうだ。結婚式の日なんだけどさ、終わってから会いに行ってもいい?」

「俺は嬉しいですけど二次会とか参加しないんですか?」

「うん。ライブ仲間は二次会に参加しないんだ。着飾った姿、写真じゃなくて直接見せたいなって思って」

買ったドレスの色も内緒にしていて、聞かれても教えていなかった。

「ありがとうございます!楽しみにしてます!」

「あんまり期待されても困るんだけどね」

チラッと横を見ると必殺キラキラスマイルが復活していて、私まで嬉しくなった。やっぱり隼人君は笑顔が似合うよ。
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