年下男子は恋愛対象になりますか?
鮮やかな青色のドレスで登場した彩。
大人っぽい印象の中にも可愛いが散りばめられていた。

「綺麗だね。彩、青が好きって言ってたもんね」

「うん、とっても綺麗。似合ってるね」

この数時間だけでスマホの容量かなり使った気がする。充電の残量も気になるけど、それでも動画や写真を撮り続けた。

『ここからのお時間はゲストの方にもご登場頂き、お二人へのお祝いを頂いて参りましょう。まず初めに、新郎新婦の趣味仲間でいらっしゃいます皆様によるバンド演奏となります。よろしくお願い致します』

気がついたら、あっという間に余興の時間になっていた。さっきはああ言ったけど、司会の人に紹介されてから心臓がうるさい。

皆ニコニコしながら準備してる。凄すぎる。

「今日はありがとな。よろしく」

新郎の勇太もこっちに移動してきてベースを持ったから会場が沸いた。たくさんのスマホが私達に向けられ、プロのカメラマンが近くまで移動してきている。

気にしたらダメ。彩を見て歌おう。
今まで数え切れないぐらい歌ったんだから大丈夫。



「何かお飲みになりますか?」

テーブルに戻ってすぐグラスを空にしたからか、近くに立っていたホールスタッフに声をかけられた。

「ノンアルコールのブルーハワイお願いします」

ドリンクメニューの中にノンアルコールカクテルが数種類あって、上から順番に頼んでいた。今日はお酒は飲まないつもり。

ドリンクが運ばれてきた時、会場内に音が響いた。彩が一番好きな曲のイントロが流れている。暗いしドリンクの撮影は後ですることにした。

「うわ、あの人達めっちゃカッコいいじゃん。俺らが先で良かったー」

「高校の軽音部仲間だっけ」

弘樹と蓮が夢中で見ている。

1番が終わると勇太が彩にマイクを渡しに行った。サプライズに驚いていたけど、ドレス姿で堂々と歌っていてカッコ良かった。
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