年下男子は恋愛対象になりますか?
【38】もう
「じゃあね、由夏。隼人君によろしく」

「またなー」

地元の駅まで佑介が迎えに来てくれていて、私は車じゃなかったからお言葉に甘えて乗せてもらうことにした。佑介と話したのは久しぶりだった。

「うん。美樹も佑介もありがと」

降ろしてもらった場所は、隼人君の家じゃなくてバイト先の駐車場。少しでも早く顔が見たくなって、1人で行ってみようと思ったから。

行くって連絡してないから驚くよね。
私を見たらどんな顔するかな。
仕事中は無理だけど、隼人君に話したいことたくさんあるんだよ。

入口には見送りしている男性店員と、2人の女性客の姿。遠くからでも隼人君じゃないことは分かった。

このタイミングで会えたら最高なんだけど、まぁそう上手くはいかないよね。1人でニヤニヤしてたら怪しいだろうし気を付けなきゃ。

「あれ、吉澤の彼女さんですよね。オシャレしてどうしたんっすか?」

そこに居たのはバイト仲間の山岸君だった。
夏ぶりに来たのに私が誰だか分かったみたい。

「知り合いの結婚式の帰りなの。1人だけど良いかな?」

「もちろん大丈夫っすよ。どうぞ入って下さい。吉澤に会いに来たんすよね?えーと」

山岸君が店内を見渡す。その後ろから私も同じような行動をとった。

邪魔したら悪いし、軽く食べたら隼人君の家で待ってよう。もうすぐ会えるんだ。楽しみ。

「あ、いましたね。今は常連の子の接客中みたいっす。落ち着いた頃に呼んで来ますんで、それまで席で待っていて下さい。テーブル席とカウンター席、どっちがいいとかあります?」

「んー、この格好だしテーブル席の方が……」

私も隼人君の姿を発見したけど、動揺し過ぎて言葉に詰まった。見ちゃいけないものを見たような気がしたから。
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