年下男子は恋愛対象になりますか?
「あ、隼人の彼女さんじゃないですか!俺のこと分かります?隼人の友達なんですけど、夏にテーマパークで会いましたよね」

金曜日の夜。ショピングモール内のコーヒーチェーン店でホットソイラテを飲んでいたら、意外な人物に声をかけられた。

人懐っこい感じのイケメン君。
名前は知らないけど見た記憶はある。

「誰かと待ち合わせだったりします?」

「え?いや、スマホの機種変待ちだけど」

「じゃあ、俺の友達来るまで一緒させて下さい。失礼しまーす」

返事をする前に向かいの席に座られた。
2人席のソファー側が私。

「隼人、家で彼女さんのこと待ってますよ?」

「今日バイトでしょ?この時間だとまだ帰ってきてないよね」

カップ片手に笑顔で話しかけてくる。
だから私も繕って答えた。これって探られてる可能性もあるのかな。

「誰かとシフト交換したみたいで、今日は休みになったらしいです。彼女さんと会ったって教えてやろ」

やっぱりまだ隼人君と連絡取りたくなくて、月曜の夜にアパートに行ってテーブルの上にメモを置いてきていた。

"スマホ壊れたっぽくてしばらく連絡出来ないかも。金曜日の夜にショップ行く予定だから、また連絡するね"

また嘘を付いちゃったけど、気まずくなるよりはマシ。怪しまれるのも覚悟の上。

そして、今日がその金曜日。
隼人君に会うかどうかは決めかねていた。
でも、この流れだときっと……

「隼人に信用されてないんで少し話してもらっても良いですか?今、電話かけてますんで」

スマホをテーブルの上に差し出された。
隼人君の名前と、発信中と表示されている画面。

ここで話さないのも変だよね。

『あのなぁ、変な冗談言うのやめろ。何をどう考えたら由夏さんとお前がお茶するって話になるんだよ』

数日ぶりに聞く隼人君の声。
こんな形で聞くとは思わなかったけど、目の前には友達がいるわけで。

「えっと、私なんだけど分かる?」

かなり驚かれて、今から行きますと言われたあと切れた。
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