年下男子は恋愛対象になりますか?
「えー、何それ。誰にも告白なんてされてないよー?むしろ、帰りに背が高い女は嫌って言われたぐらいなんだけど。聞こえるように言ってくるなんて酷いよねぇ」

酔いが少し覚めたような気がしたけど、変わらないテンションのまま話した。

「そんなこと言ってくる奴のことなんて気にしなくていいですよ。酔っぱらいウゼーって思っていて下さい」

身長のこと言われるのはショックだったから、隼人君に慰めてもらおうと思ってたんだっけ。あの日に直接言ってもらいたかったな。

「あのね、式場でも同じように言ってくれた人がいたよ。顔が似てるってわけじゃないけど、隼人君に似てるなって思ったの」

「…………男、ですよね?」

「うん、彩と勇太の同級生。それでね隼」

「すみません。酔ってるとはいえ、知らない男の話を楽しそうにしないでもらえますか。しかも、俺に似てるとか勘弁して下さいよ。何なんですか、それ」

最後まで聞かないで、低い声でそう言われた。
私の言い方悪かったけど「隼人君に早く会いたくなった」って言おうとしたんだよ。

「……その人のこと気になってます?」

「全然なってない!だって、ずっと隼人君のこと考えてたし早く会いたいって思ってたんだから」

着飾った姿を見てもらいたかった。
楽しかった話をウンウンって聞いてほしかった。1秒でも早く会いたくて、バイト先まで会いに行ったんだよ。

「でも、あの日会いに来てくれなかったじゃないですか。俺かなり楽しみにしてたんですよ」

怖いけど聞かなきゃダメだ。
私のせいで更に拗れちゃう。

「私も楽しみにしてたよ?ねぇ……、本当は隼人君に会いに行ってたって言ったらどうする?」

出来れば隼人君からあの子のこと話してほしい。笑顔で話してたのはバイト中だからだよね?

「……実際に会えなかったんですから、そんなこと考えても意味ないと思います」
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