年下男子は恋愛対象になりますか?
「由夏さん!」

ベランダで洗濯物を干していたら、掃き出し窓がガラッと開いて隼人君の焦った声がした。

鞄は起きっぱなしにしていたけど、部屋にいなくて置いてあった上着もなかったからだと思う。眩しくないようにレースカーテン閉めてから出たし。

「おはよ。もうすぐ終わるから中で待ってて。そんな格好じゃ寒いでしょ」

「由夏さんだって寒いですよね?俺も手伝います」

2人で一緒に干すこともあるから、ベランダにはサンダルを2つ置いていた。履こうとしている隼人君を手で止めて、台に乗せていた洗濯カゴの中身を見せる。

「あと少しだから大丈夫。ね?」

「……分かりました。すみません、ありがとうございます」

中に戻ると隼人君はベッドに座って水を飲んでいた。顔色悪いし気持ち悪いのかも。

「大丈夫?二日酔いに効くドリンクとか買ってこようか?」

「大丈夫、です。あの……今日は俺の分しか洗濯しなかったんですね」

「あー、うん。予定があって早めに帰るから洗わず持ち帰ろうと思って」

洗面所に洗濯カゴを置いて部屋に戻る。
どこに座るか迷ったけど隣に座った。気まずい。

隼人君が隠し事しなければ、こんなことにならなかったのにって思っちゃう私は大人げないのかな。

「……昨日の記憶が途中からないんですけど、俺由夏さんに何かしました?」

「別に何もされてないよ。何で?」

呼び捨てとタメ語のことは話さなかった。
ドキッとしたけど、酔っぱらってたし寝言みたいなものだと思ったから。

「いえ、何もないならいいんです。変なこと聞いてすみませんでした」

「ううん。ねぇ、何か食べる?簡単なものなら私でも作れると思うんだけど」

立とうとしたら腕を掴まれた。

「昨日の話の続きをしませんか?アイツと会っていた理由を聞いてほしいんです」

ついにきた。
ドクンと胸が鳴る。
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