年下男子は恋愛対象になりますか?
「帰る!しばらく距離置きたいから連絡してこないで」

鞄と上着と、私物を入れていた専用ボックスを持って玄関に向かう。後ろから隼人君が追いかけて来てるけど足を止めなかった。

「ちょ、ちょっと待って下さい!何でそれまで持って行くんですか!?距離を置くだけなら必要ないですよね!?」

「私の物なんだからどうしようと勝手でしょ!ほっといてよ!」

「由夏さん、お願いします!待って下さい!」

その時に目についた、友達からプレゼントされたというキーケース。それを見たら更に悲しくなった。

友達って……あの子も含まれてるのかな。
柄違いとはいえ、プレゼントが被ることって本人が希望してない限りあり得ないよね?

もしかして私が買ったもの知ってた?
まさか……ね。

「どうしたら、どうしたら許してもらえますか!?俺は絶対に別れたくないです!」

荷物が邪魔で靴を履くのにモタついていたら、玄関ドアの前に立たれて塞がれてしまった。

「別れるなんて言ってない。距離を置くだけだってば」

「次に会う日!せめて次に会う日だけ決めませんか!?お願いします!」

だから何で隼人君が泣きそうな顔してるの?
悲しいのは私だよ。信じてたのに、ずっと隠し事されてた私。

「……隼人君とは何も約束したくない」

結婚式の後に会うことも、テーマパークに泊まりで行くこともずっと楽しみにしてた。その分、ダメになった時のショックが大きすぎる。

「クリスマスの日、約束した場所で待ってますから!」

「行けるかどうか今は分かんないよ。そんなこと言われても困る」

「それでも俺は待ってます!……傷付けて本当にごめんなさい」

車まで追いかけて来たらもう会わないからと告げて外に出た。家に戻って出かける準備をし、東京行きの電車に乗る。

晴香が暇で良かった。
隼人君はバイト行くだろうし、1人だったら耐えられなかった。

蓮と弘樹とも合流することになって、朝まで4人で歌いまくった。ライブ仲間といると楽しい。

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