年下男子は恋愛対象になりますか?
「じゃあ、このあとは隼人君の家に行かないの?毎週金曜と土曜は泊まってたよね?」

「うん。その話題にならなかったし今日は帰る」

「明日は?元々テーマパーク行く日だったんだし、隼人君バイト入れてないでしょ?」

レモン果汁をたっぷり付けたお肉を頬張りながら、少し前の別れ際のことを思い出す。

美樹との約束の時間まで余裕があったにも関わらず、行く場所が思い浮かばなくて私からお開きにしていた。

『今日はありがとうございました。あの、明日も会えますか?』

隼人君のアパート近くのドラッグストア。
そこの駐車場で目を見ながらそう言われた。笑ってはいるけど悲しそうな表情も混ぜながら。

「会いたいとは言われてるけど……」

「だよね。そんな顔してるってことはオッケーしなかったんだ?」

「美樹が泊まるかもしれないから分かんないって答えた」

視線に耐えきれず、注文用のタブレット端末を手に取る。無意識にドリンクのページを開いていた。

「……もしかしてだけど、隼人君のこと嫌いになった?」

「なってないけど……。え、これって嫌いになってるってことなの?」

「いや、私に聞かれても困るから。何となくそう思っただけだから気にしないで」

美樹にそう思われたってことは、隼人君も同じように思ってる可能性も高いわけで。やっぱり仲直りするには早すぎたのかな。

「しばらくライブもないしさ、気分転換に何か新しいこと始めてみたら?」

「例えば?」

「ゲームとか?隼人君もやってるなら話のネタにもなるだろうし」

夢中になれるものあるかなと言ったら、美樹が佑介にメッセージで聞いてくれた。島を開拓して動物達と暮らすゲームを勧めてくれたらしい。

仕事終わりや今日も美樹が付き合ってくれてるけど、予定ある日もあるだろうし良い機会かも。

「そのゲーム、隼人君持ってるかな?」

「私が知ってるわけないでしょ。本人に聞きなって」
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