年下男子は恋愛対象になりますか?
翌日のお昼過ぎ。
待ち合わせ場所でもある駅近の大型電気屋店。その中のゲームコーナーで、隼人君の姿を発見して駆け寄った。

「ごめん、遅くなっちゃった」

「全然大丈夫ですよ」

余裕を持って家を出たはずなのに、渋滞に巻き込まれて遅れてしまった。途中で隼人君に電話したけど、早く来るタイプだし結構待ったよね。

昨日の夜あのゲームを持っているかメッセージで聞いて、その流れで一緒に買いに行くことになっていた。

「本当にごめんね」

「気にしてないですから。それより、これ由夏さん好きそうだと思ったんですけどどうですか?」

隼人君が指差したのはターコイズ色の携帯専用のゲーム機本体。テレビに接続出来ないけど、そのタイプより値段が安いらしい。

「わ、可愛い」

他の色も見てみて最終的にこれに決めた。
悩んでる間も急かさずニコニコしながら待っていてくれたし、いつもとっても優しい。

まだ手も繋げてないしギクシャクしちゃってるのは確かだけど、嫌いにはなってないと思うんだけど……

「どうしました?」

「え?ごめん、何でもない。ソフト探してくるね」

「こっちにありましたよ」

私が来る前に場所を確認してくれていたのか、そこまで案内してくれた。そして隼人君も同じように手に取った。

「もしかして買うの?持ってないって言ってたから、こういうゲームは興味ないのかと思ってた」

「気になってはいたんですけど、由夏さんがやるなら俺もやってみようかと。……あ、すみません!嫌なら買いませんから!」

隼人君がこう言ったのは私のせい。
昨日SNSの話になった時、嫌そうな顔しちゃったからだよね。今はしてなかったと思うんだけどな。

「嫌じゃないよ。隼人君の作った島を見てみたいかも」

「本当ですか!」

手を繋いでみたら、少しは前みたいに戻れるのかな。怖いって気持ち消したいのに、どうしたら良いのかが分からなかった。
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