年下男子は恋愛対象になりますか?
翌日、月曜日の夜。
今日は美樹とカラオケには行かず、仕事が終わってから家でゲームをやりこんでいた。

そんな時にかかってきた1本の電話。
スマホのホーム画面には隼人君の名前が表示されていて、既に11時を過ぎていたことをこの時知った。

「え、もうこんな時間なの!?いや、それよりも……」

こんなに早くかかってくるとは思わなくて、画面を見つめていたら切れてしまった。

決着ついたってことで合ってる?
いやいや、変に期待したらダメ。
折り返しかけるべき……だよね?

両手でスマホを持って考えていると「聞きたいことがあるので、あとでまた電話します」というメッセージが届いた。気になったから、意を決して通話マークをタップする。

『由夏さん、あの』

いつもなら「こんばんは」とか「今大丈夫ですか?」と言ってくるのに、繋がった瞬間に聞こえてきたのは不安そうな声。嫌な予感しかしない。緊張する。

「……何?」

『迷惑だから諦めてくれって言ったら、分かった、ごめんって謝られました。今まで適当にはぐらかされていただけなんですけど、これって決着ついたことになりますか?』

「え?」

いやいやいやいや、ちょっと待って。
そんなことってある?だって、昨日会った時は諦めそうな感じしなかったよ?
え、何?これも作戦なの?

『これで前みたいに会ってもらえますか……?』

急展開すぎて頭が追い付かない。
表面上は決着ついたようにも思えるけど、昨日の今日なこともあって信じられないわけで。

「えっと、その、……ごめん。少し考えさせてくれないかな?」

少しの沈黙が流れる。気まずい。

『分かりました。連絡待ってますね。おやすみなさい』

電話越しでも無理やり明るく装っているのが伝わってきた。あの子の本心はともかく、隼人君は約束通り話をつけてくれたんだよね。あとは私次第なのかも。
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