年下男子は恋愛対象になりますか?
【40】どうか
あっという間に時間が過ぎて、25日クリスマス当日になった。仕事後に隼人君と会う約束をしている日。
決着ついたと連絡してくれた日から今日まで、隼人君とは会っていなかった。その間あの子が何もしてこなかったら会うという約束をして、何度かメッセージのやり取りをしただけ。
この選択が正しいかも分からなかったけど、気持ちの整理もしたかったから。
「おーい、これ急ぎで入力してほしいんだけど、少しだけ残業頼めたりする奴いない?」
あと数十分で定時になるという時間に、先輩が書類をヒラヒラさせながら大きな声を出した。近くに座っていた同じ部署の人達が一斉に顔を背ける。
そうだよね。金曜のクリスマスだし、誰も残業だなんてしたくないよね。でも誰かがやらなきゃいけないわけで。
……この時間ならまだ家を出てないかな。
隼人君、ごめん!
「私やりますよ。それぐらいだったらそんなに時間かからないでしょうし」
「マジか!今度何か奢ってやるからな」
「美味しいお肉でお願いしまーす」
このタイミングで頼まれたのも運命。
隼人君に会いたくないわけじゃない。仕事で残業するだけ。
「ちょっと先輩、引き受けちゃって大丈夫なんですか?このあと彼氏さんと約束してるんじゃ……」
「すぐ終わりそうだし大丈夫だよ。心配してくれてありがと。ちょっと連絡してくるね」
メッセージを送るか悩んだあげく、電話をかけることにした。
『はい』
久しぶりに聞く声に胸がドクンとなる。
いつもより低くて、元気がなさそうな声。
「隼人君もう家を出ちゃった?悪いんだけど、待ち合わせ時間を遅らせてもらうことって出来るかな?急に残業頼まれちゃって」
気になったけどあまり時間をかけるわけにもいかず、用件のみを手短に話した。
『大丈夫です。大体の時間分かったら連絡して下さい』
「うん。本当にごめんね」
決着ついたと連絡してくれた日から今日まで、隼人君とは会っていなかった。その間あの子が何もしてこなかったら会うという約束をして、何度かメッセージのやり取りをしただけ。
この選択が正しいかも分からなかったけど、気持ちの整理もしたかったから。
「おーい、これ急ぎで入力してほしいんだけど、少しだけ残業頼めたりする奴いない?」
あと数十分で定時になるという時間に、先輩が書類をヒラヒラさせながら大きな声を出した。近くに座っていた同じ部署の人達が一斉に顔を背ける。
そうだよね。金曜のクリスマスだし、誰も残業だなんてしたくないよね。でも誰かがやらなきゃいけないわけで。
……この時間ならまだ家を出てないかな。
隼人君、ごめん!
「私やりますよ。それぐらいだったらそんなに時間かからないでしょうし」
「マジか!今度何か奢ってやるからな」
「美味しいお肉でお願いしまーす」
このタイミングで頼まれたのも運命。
隼人君に会いたくないわけじゃない。仕事で残業するだけ。
「ちょっと先輩、引き受けちゃって大丈夫なんですか?このあと彼氏さんと約束してるんじゃ……」
「すぐ終わりそうだし大丈夫だよ。心配してくれてありがと。ちょっと連絡してくるね」
メッセージを送るか悩んだあげく、電話をかけることにした。
『はい』
久しぶりに聞く声に胸がドクンとなる。
いつもより低くて、元気がなさそうな声。
「隼人君もう家を出ちゃった?悪いんだけど、待ち合わせ時間を遅らせてもらうことって出来るかな?急に残業頼まれちゃって」
気になったけどあまり時間をかけるわけにもいかず、用件のみを手短に話した。
『大丈夫です。大体の時間分かったら連絡して下さい』
「うん。本当にごめんね」