年下男子は恋愛対象になりますか?
色々と買い込み部屋に戻ると、隼人君は寝ていた。静かに開封して体温計を脇に挟む。38℃越えていたので冷却シートをおでこに貼った。

眠れたなら様子見で大丈夫だよね。
病院に行くかは明日の朝の体調次第かな。
今日は何時から待ってたの?もしかして、残業の件で電話する前から外にいた?

今でも好きでいてくれるのは伝わってくる。
もっと早く会ってたら体調崩さなかったかもしれないよね。私がずっと中途半端な対応してるせい。

「ごめんね」

そろそろハッキリさせなきゃいけないのも分かってる。分かってるんだけど。

じっとしていても仕方がないので部屋を片付けることにした。散乱している服や空のペットボトルを集めていく。

その時に目についた、水族館で買ったぬいぐるみ。お互いに同じものを買っていたから交換した。こっそり飾った記念メダルもある。

部屋にあるもの全部とまでは言わないけど、週末一緒に過ごしていたから思い出があるものが多かった。使わせてもらったもの、2人で選んで買ったもの、プレゼントしたもの。

逆の立場だったら、この部屋で過ごせないかも。しんどすぎる。

「はぁ、ゲームでもやろ。その前に洗面所借りようかな」

目が覚めるまでは帰らないと決めていた。
何時に起きるか分からないし寝落ちする可能性も考えて、せめてコンタクトレンズだけは取っておきたい。

「由夏さん!」

洗顔もしてしまおうかと悩んでいると、閉めてあった洗面所のドアが勢いよく開き、慌てた様子の隼人君の姿が見えた。

「うわぁ、ビックリした!もー、驚かせないでよ。あ、勝手に洗面所借りちゃってごめん」

「すみません。起きたら由夏さんがいなかったので、つい……」

テーブルの上には持ってきていたゲーム機を置いておいたし、鞄や靴もそのままだったのに。
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