年下男子は恋愛対象になりますか?
スマホで撮影しようとしていた隼人君を制止して、朝ごはんを食べ終えたあとは洗濯物をベランダに干した。
この洗剤と柔軟剤の匂い好き。
泊まった翌日は、私の服も同じ匂いになってたよね。
「何から何まで本当にありがとうございます!お昼は由夏さんの好きなフレンチトーストでも作りましょうか。夜も作るので食べたい物あったら教えて下さい」
部屋に戻って洗面所に洗濯かごを置きに向かうと、後ろから隼人君がついてきた。元気になってきたようで良かった。良かったけど。
「さっきから何回も聞いたし、お礼はもう言わなくていいよ。それに、まだ本調子じゃないでしょ。今日は料理したらダメだからね?」
「それなら明日の朝からにします!だから今日は、その」
「ごめんね。明日は用事があるの」
強めの口調で被せたからか、また気まずい空気になってしまった。
本当は用事なんてないけど、バイトの日には会いたくない。今までみたいに「いってらっしゃい」って見送ることなんて出来ないよ。
「そう、ですか。あ!もうすぐ長期休み入りますよね?俺、由夏さんと行きたい場所があるんです。東京の水族館行きませんか?行きたいって言ってましたよね?」
「……チンアナゴ」
「そうです!一緒に見に行きましょう」
かごを定位置に置いて振り返る。
笑ってはいるけど様子を伺うような視線と表情。先に目を逸らしたのは私だった。
行きたい。でも行けない。
だって、また……
「あの、話があるの」
「日付決めるのが難しそうなら、俺は当日の朝とかでも大丈夫ですから。ネットで見たんですけど200匹いるらしいですよ。それと、11月11日がチンアナゴの日って知ってました?いつかその日に行ってみたいですよね」
なかったことにされた言葉。
それでも話さないといけないわけで。
「隼人君、あのね」
「夏に行った水族館も行きましょうね。夜にやってる日、これから調べてみます。スマホどこに置いたんでしたっけ」
逃げるように移動された。
この洗剤と柔軟剤の匂い好き。
泊まった翌日は、私の服も同じ匂いになってたよね。
「何から何まで本当にありがとうございます!お昼は由夏さんの好きなフレンチトーストでも作りましょうか。夜も作るので食べたい物あったら教えて下さい」
部屋に戻って洗面所に洗濯かごを置きに向かうと、後ろから隼人君がついてきた。元気になってきたようで良かった。良かったけど。
「さっきから何回も聞いたし、お礼はもう言わなくていいよ。それに、まだ本調子じゃないでしょ。今日は料理したらダメだからね?」
「それなら明日の朝からにします!だから今日は、その」
「ごめんね。明日は用事があるの」
強めの口調で被せたからか、また気まずい空気になってしまった。
本当は用事なんてないけど、バイトの日には会いたくない。今までみたいに「いってらっしゃい」って見送ることなんて出来ないよ。
「そう、ですか。あ!もうすぐ長期休み入りますよね?俺、由夏さんと行きたい場所があるんです。東京の水族館行きませんか?行きたいって言ってましたよね?」
「……チンアナゴ」
「そうです!一緒に見に行きましょう」
かごを定位置に置いて振り返る。
笑ってはいるけど様子を伺うような視線と表情。先に目を逸らしたのは私だった。
行きたい。でも行けない。
だって、また……
「あの、話があるの」
「日付決めるのが難しそうなら、俺は当日の朝とかでも大丈夫ですから。ネットで見たんですけど200匹いるらしいですよ。それと、11月11日がチンアナゴの日って知ってました?いつかその日に行ってみたいですよね」
なかったことにされた言葉。
それでも話さないといけないわけで。
「隼人君、あのね」
「夏に行った水族館も行きましょうね。夜にやってる日、これから調べてみます。スマホどこに置いたんでしたっけ」
逃げるように移動された。