年下男子は恋愛対象になりますか?
夕飯後に洗い物を済ませ、体温計で隼人君の熱を確認した。上がっていなかったし大丈夫そう。とりあえず良かった。

今はまだ7時を過ぎたあたり。
デジタル時計から視線を戻すと、隣に座るよう促された。

ソファーに座ったあと手渡されたコントローラー。続きをプレイするのかと思いきや、テレビ画面に映し出されたのはレースゲーム。

「久しぶりに対戦しません?」

「いいけど疲れてない?無理だけはしないでね。隼人君がこんなにゲーム好きだったなんて知らなかった。今日結構やったよね」

「全然疲れてないですよ。好きですけど、1日でこんなにやったのは久しぶりですね」

何気ない会話のはずなのに、この言葉を聞いて帰るタイミングが更に難しくなった。勘違いの可能性ももちろんあるけど、時間を繋ぐ為にゲームに誘われたのかも。

楽しく過ごしたい。
でも、さすがに泊まれない。

「あー、また負けた!いつか勝ちたいなぁ」

「いつでも受けてたちますよ。少し休憩しましょうか。コーヒー淹れてきますね。何か甘いもの食べます?」

「私がやるから座ってて」

お湯を沸かす準備をしていると、キッチンに一緒に来ていた隼人君が必要なものを出してくれた。

色違いで買ったカラフルで可愛いマグカップ。昨日からペットボトルの物ばかり飲んでたので、使うのは久しぶり。

目が合って、お互いに微笑む。

「チョコにします?それともアイスですか?」

「まだ食べたことないチョコあったから、それにしてもいい?」

「もちろんです」

この時期は新商品が次々と発売される。
冷蔵庫に何種類も入っていたから、隼人君の横に移動して自分で取り出した。

「やった。沸くまでまだ時間かかるし、その前に少しだけ食べちゃおうかな」

「どうぞ。また買っておくので、いつでも来て下さいね。由夏さんが美味しそうに食べてる姿を見るのも好きなんです」

「ありがと。次は30日に来るね。あ、その日にクリスマスパーティーする?」

ほんの少しだけ間があいて、楽しみにしていますと返ってきた。
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