年下男子は恋愛対象になりますか?
【41】年末年始
「先輩、そろそろ移動しようって話になりましたけど大丈夫そうですかー?」

今日は12月29日。
忘年会会場の外でスマホをいじっていると、後輩が呼びに来てくれた。

「ごめん、今行く」

「彼氏さんですか?」

甘えながら左腕にくっついている。
ほろ酔いだからとはいえ、同性の私から見ても可愛い。

「うん」

「ラブラブで羨ましいです。今日も迎えに来るのかと思ってたのに、先輩飲まないんですもん。優しい彼氏さんに会いたかったー」

「あはは。夏に迷惑かけちゃったし、さすがにね。今日は運転手に徹するからよろしく」

こないだから隼人君とは会っていなかったけど、メッセージで連絡はとっていた。クリスマス前と違って、私から終わらせないようにしている。

今も二次会に行ってくると送っていたところ。
隼人君がバイト中でも、思っていたより普通に過ごせていた。

「代行呼べばいいんですし、このあとは一緒に飲みましょうよ」

「んー、考えとく。あ、そうそう。これあげようと思ってたんだった。皆には内緒ね?」

鞄の中から取り出したのは、少し前にやったビンゴ大会で当たった景品。目を丸くして驚かれて、しまうように促される。

「貰えないですよ!彼氏さんと行って来て下さい」

「実は同じもの持ってるんだよね。年に何回も行かないだろうし、貰ってくれたら嬉しいな」

半ば強引に渡してしまった。
隼人君とのことは何も言ってないし、勘ぐられても困るのに。

「先輩がそう言うなら、お言葉に甘えさせてもらいますけど……。行った時はたくさんお土産買ってきますね」

「ありがと」

毎年開催されているビンゴ大会で初めてゲットした高額賞品が、テーマパークのペアチケットだった。ツイてるのか、それともツイてないのか。

隼人君とじゃなくても、しばらく行けそうにない。
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