年下男子は恋愛対象になりますか?
遅めの夕飯は、近くのスーパーで買ったお寿司にした。お昼に作った味噌汁に、隼人君がササッと作ってくれたキュウリの浅漬けも。

初詣に行けなくて残念そうにしていたけど、キッチンに立つ姿を近くで見ていた時は嬉しそうにしていた。

日中は普通に過ごせてる。
でも、今日も寝る時間が近付いてきてるわけで。

「お風呂沸かしてきますね。由夏さんが先に入って下さい」

「あ、ううん。今日は帰ろうかな。隼人君に何日もソファーで寝てもらうの悪いし」

立ち上がった隼人君が、私の隣に座り直す。
その間も笑顔を崩さないよう気を付けた。

「そんなこと気にしないで下さい。昼寝しちゃいましたし俺は大丈夫ですから」

「私が嫌なの。明日また来るね」

つとめて明るく、元気に答える。

「……俺がベッドで寝れば泊まってくれます?」

「うん。でも、昨日みたいに移動させるのダメだよ?」

困ったような顔をされた。
でも、隼人君と同じで私もソファーで寝てほしくないんだよ。

「……もしかして、一緒に寝ようって言われたのに断ったからですか?」

「えー、何それ?そんなこと言ったっけ?」

咄嗟に覚えていないふりをする。
隼人君が「寝ぼけるだけでしょうし」って言っていたのを思い出したから。

だから、この話題には触れてこないと思ってたのに。

「違うんです!由夏さんと一緒に寝たくないわけじゃなくて、その、我慢出来なくなって……途中でやめてって言われても、止められる自信がないと思ったからで」

何か言うべきなんだろうけど言葉が出ない。

「ずっと考えてるんですけど、料理をしたり、ハハッて笑う以外に、どうしたらもっと好きになってもらえますか!?俺はどうしたらいいですか!?」

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