年下男子は恋愛対象になりますか?
『……え?』

「ごめんね?あ、もう充電ないみたいだから切るね」

そう言い残し、私は一方的に電話を切った。

充電がなくなるのは嘘じゃない。
隼人君にモバイルバッテリー借りる前だったし、残り5%と表示されているスマホの液晶画面。

すぐに折り返しかかってきたけれど、電話には出なかった。

「あーあ。今日は誕生日なんだけどなぁ」

朝早くに待ち合わせして、誕生日プレゼントもらって、新幹線と電車に乗って移動して、初めて手を繋いで、私の気持ち伝えて、初めてキスしたのに……

そんな矢先、隼人君とあの子がキスしてた。

「あはは、最悪じゃん」

そんなことを考えてる間も、ずっと電話がかかってきていた。マナーモードにするわけでもなく、電源を切るわけでもなく放置した。

私が切らなくてもすぐに切れると思ったから。
< 74 / 729 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop