年下男子は恋愛対象になりますか?
「あー、もう!私も誰かとキスしてやる!」

そんなことを思ったら急に虚しくなった。
相手なんていないくせに、誰とキスするつもりなんだ私は。

このままベンチに座っていても負の感情が沸き上がるだけなので、適当に歩くことにした。

空は真っ暗になっていて、ライトアップされている園内は光輝いてる。綺麗だったので写真を撮ろうと思ったけど、スマホの電源はいつの間にか落ちていた。

隼人君と一緒に見ようと約束していた花火が打ち上がる。こんな形で1人で見ることになるなんて。

「帰ろ」

出口への方へ向かっていると、お土産袋を持っている人をたくさん見かけた。私も買ったから取りに行かなくちゃいけない。





「由夏さん!」

ロッカーの前に到着し、財布から鍵を出していた時だった。遠くから今会いたくなかった人の声がした。
< 75 / 728 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop