年下男子は恋愛対象になりますか?
「……帰ろっか」

どう答えればいいのか分からなくてそれだけ告げると、抱きしめられていた腕が離れた。

「荷物持ちます。貸して下さい」

「ありがと」

それ以外は特に話をせず、無言のまま駅へ向かう。

隼人君の顔を見たくないことも、話したくないことも気付かれてるよね。だから何も話しかけてこないんだろうし。

行きよりも帰りの方が早く感じるというけど、この時は行きの何倍も遅く感じたよ。





「荷物ありがと、じゃあね」

新幹線の改札を出たところで、持ってもらっていた荷物を受け取る。

笑顔を作って最低限の挨拶をすると、隼人君は悲しそうながらも微笑んだ。
< 77 / 727 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop