年下男子は恋愛対象になりますか?
「あの、連絡先の交換だけでもしませんか?」

グイグイこられて更に困った。
どうしたらいいのか分からず、慌てふためくばかりの私。挙動不審という言葉がピッタリの状況だと思う。

「え、いや、でも」

もしかして新手の詐欺だったりする!?
よく分からないけど、お金持ってそうに見えたとか!?いやいや全然持ってないからね!?

男性が鞄を開けてノートを取り出した。
何かを書いたあと勢いよく破って、その紙を差し出してくる。

「これ俺の連絡先です!今は受け取ってもらうだけでかまいません!お願いします!」

こ、困る!
困るけどこの状況を早くどうにかしたい。

悩んだ結果、連絡先を受け取ることにした。
だって、そうしたらこれで解放されると思ったから。

「受け取ってもらえただけでも嬉しいです!ありがとうございます!突然すみませんでした」

男性は嬉しそうに微笑み、深くお辞儀してからホームの端の方へと走って行く。私はというと、しばらくその場に立ちすくんでいた。

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