【番外編】円満な婚約破棄と一流タンクを目指す伯爵令嬢の物語
学院は明日から来週の卒業式までもう自由登校となり、授業がない。
コンドルはその間、一旦実家に帰るつもりだったとかでハウザー辺境伯家の馬車が間もなく迎えに来る予定なのだという。
コンドル、ナイスタイミングだわっ!
準備が整い次第、馬車の前に集合となり、わたしは大急ぎで寄宿舎に戻ると髪を赤く染めた。
そこへリリーとマーガレットが連れだって戻って来て、わたしの姿を見て目を丸くしていた。
「ステーシア、何してるの?」
言いたい。言ってしまいたい。
ルシードがマーガレットに告白するためにレッドリザードの尻尾が必要なんだって。
でも、そのマーガレット本人がここにいる以上、ネタばらしをするわけにはいかない。
「どうしてもルシと今すぐ出かけなくてはならなくなったの」
「ええっ!?」
「いつ帰ってくるの?」
「無事解決したら、早くて明日の夜には戻れると思うわ。卒業パーティーまで日数がないから急がないといけないのよ」
車中泊になってしまうけれど、明朝には現地に到着するらしい。
レッドリザードをすぐに見つけて尻尾さえ奪えば帰れるはずだ。
実際は、寄宿舎は夜中は閉門しているため明後日の朝になるだろう。
「ねえ、まさか略奪じゃないわよね?」
リリーが声を潜めて聞いてくる。
「略奪?うん、ある意味そうね」
だって、レッドリザードの尻尾を奪いに行くんだもの。
これが大きな誤解を生むことになるとも知らず、戸惑う二人に「急いでいるから行くわね。帰ったらちゃんと説明するから」と言って、大慌てで寄宿舎を出たのだった。
コンドルはその間、一旦実家に帰るつもりだったとかでハウザー辺境伯家の馬車が間もなく迎えに来る予定なのだという。
コンドル、ナイスタイミングだわっ!
準備が整い次第、馬車の前に集合となり、わたしは大急ぎで寄宿舎に戻ると髪を赤く染めた。
そこへリリーとマーガレットが連れだって戻って来て、わたしの姿を見て目を丸くしていた。
「ステーシア、何してるの?」
言いたい。言ってしまいたい。
ルシードがマーガレットに告白するためにレッドリザードの尻尾が必要なんだって。
でも、そのマーガレット本人がここにいる以上、ネタばらしをするわけにはいかない。
「どうしてもルシと今すぐ出かけなくてはならなくなったの」
「ええっ!?」
「いつ帰ってくるの?」
「無事解決したら、早くて明日の夜には戻れると思うわ。卒業パーティーまで日数がないから急がないといけないのよ」
車中泊になってしまうけれど、明朝には現地に到着するらしい。
レッドリザードをすぐに見つけて尻尾さえ奪えば帰れるはずだ。
実際は、寄宿舎は夜中は閉門しているため明後日の朝になるだろう。
「ねえ、まさか略奪じゃないわよね?」
リリーが声を潜めて聞いてくる。
「略奪?うん、ある意味そうね」
だって、レッドリザードの尻尾を奪いに行くんだもの。
これが大きな誤解を生むことになるとも知らず、戸惑う二人に「急いでいるから行くわね。帰ったらちゃんと説明するから」と言って、大慌てで寄宿舎を出たのだった。