【番外編】円満な婚約破棄と一流タンクを目指す伯爵令嬢の物語
 その時、いいことを思いついた。
「ねえ、コンドル!そのグリフォンに、岩山のレッドリザードを捕まえてここに連れてくるようにお願いしてちょうだい」

「そんなこと、聞き入れられるわけないだろうがっ!なあ、グリフォン」
「クルッ?」

 グリフォンが首を傾げてコンドルをじっと見つめている。
 やはりこれは脈ありだ。

「ええっと…?あっちの山にいるレッドリザードを捕まえてここに持ってくることはできるか?上手くいったら、俺が…ヨシヨシしてやる!」
「クルルッ♡」

 グリフォンは岩山めがけて飛んで行った。

「すごいなあ、コンドルさんて。鳥系のものなら何でも意思疎通できるんですね!」

 感心するルシードに、コンドルも「ま、まあな!」と言っているけれど、自分でもびっくりだったのではないだろうか。
 コンドルはまだ腰を抜かしたままだった。


< 18 / 32 >

この作品をシェア

pagetop