【番外編】円満な婚約破棄と一流タンクを目指す伯爵令嬢の物語
 しかしコンドルのその言葉に、グリマン兄弟は「「ええっ!?」と声をそろえて驚いていた。

「幼鳥って…子供だったんですか?」

「そうよ、餌を狩る練習をしている巣立ち前の子供だったの」

「わあっ、すごいな」
「それを早く言えよぉ!」

 いやいやいや、あなた方が興奮するポイントがいまいちわからないんですが?

 ルシードからの説明によれば、幼鳥の羽は「伸びしろ」がたくさんある「超レア素材」なんだとか。
 多少状態が悪くても、メリットのほうがはるかに上回るらしい。

 俄然張り切りだした魔道具師の二人は、コンドルに体重は?とか胴回りを測らせてくれとか言い始め、わたしはグリフォンの羽の使い道が決まったことに安堵して、レイナード様と共に研究室を後にしたのだった。
 

 3か月待ちだったはずのルシードが抱えていた魔導具の注文は、ディーノが手伝うことで格段に製作効率がアップしたらしい。
 魔導回路の設計図を引くのが得意なディーノと魔法付与が得意なルシード、とてもいいコンビのようだ。
 二人が仲良くなって本当によかったと思う。

 その浮いた時間を利用し、魔導具科のほかの生徒たちも一丸となって完成したのが「コンドル1号」だった。

< 4 / 32 >

この作品をシェア

pagetop