車窓を流れる雨粒のように
〔月side〕

まだ一緒にいたくて夜景を見に行きたいと言うと、太陽は展望台に連れて行ってくれた。

でも、このあと死ぬってことを考えるとそわそわして、帰る?と聞いてしまった。

すると、そうだねと返ってきた。

帰り道は死んでしまうことが怖くて、ずっと窓の外を見ていた。

これからどうする?と太陽に聞かれ困っていると、俺はありだと思うよと言われた。

何が?と最初は思ったけど、不器用な太陽のことだから、付き合ってもいいという意味だろう。

私もありだと思うよと返すと、本当に?と満面の笑みで聞いてきたので、付き合うってこと?と聞くと、うんと言うので、いいよと言った。

太陽はとても嬉しそうに、これからよろしくねと握手を求めてきた。

握手をすると、左手暇でしょ?と強引に手を繋いだ。
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