車窓を流れる雨粒のように
〔太陽side〕

帰り道、ずっと窓の外を見つめる月を見て、なぜか自分の気持ちを今伝えなければ後悔するような気がした。

不器用な俺はこれからどうする?とか俺はありだと思うよとか意味不明なことしか言えなかったが、月は察してくれたようで無事に付き合うことになった。

月から繋がれた手はとても冷たくて、何があっても月を守るし絶対幸せにするし、ー生離さないと強く思った。

付き合ってからは仕事や学校が終わるとご飯を食べに行ったりネットカフェでゴロゴロしたり夜景を見に行ったりした。

そんなある日、月が秘密を教えてくれた。

天気の神であることを。

最初は信じられなかったが、確か初デートの日は雨予報だったのを思い出した。

私晴れ女だからと言っていたことも。

そして初デートの日、雨は降らなかった。

きっと今まで誰にも言えずに隠してきたのだろう。

そう思うと、自分にだけ話してくれたという事実が嬉しかった。

それに、嘘なのか本当なのかということよりも、俺が信じることに意味があると思った。

秘密を共有するって悪くないなとも。
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