車窓を流れる雨粒のように
〔月side〕

ついに言ってしまった。

信じてくれるかとても不安だったけど、太陽は疑う様子もなく意外とすんなり受け入れてくれた。

誰にも言えない秘密を共有してからというもの私たちの仲はどんどん深まっていった。

そんな中、いつものように実家に帰ると知らない靴があった。

ドアの先には父のシャツにアイロンをかける女性。

父の彼女だ。

当たり前のようにおかえりと笑いかける彼女が私は苦手だ。

キッチンに立つ彼女を見ると、そのキッチンは母のこだわりがつまったキッチンで、母のものだってどうしても思ってしまう。

こんな日常から逃げ出したくて、私は太陽に相談した。

すると太陽は、一緒に住めるアパートを借りようかと言ってくれた。

その日からは、ホテルやネットカフェに泊まったり、太陽の寮にこっそり泊まったりして、実家に帰らない日々が続いた。

そして、1ヶ月も経たないうちにアパートが決まり、9月25日に入居することになった。
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