車窓を流れる雨粒のように
〔月side〕

私は看護学校に通う2年生。

一見普通の看護学生だが、私には誰にも言えない秘密がある。

それは、天気の神であるということだ。

だから天気を自由に操ることができるのだが、力をコントロールしなければ寿命を縮めてしまう。

私は今まで、寿命に影響が出ない程度に力をコントロールしてきた。

だが、高校2年生のときから付き合っている彼氏、三好 優(みよし ゆう)が県外の大学に行ったことにより、私は寿命を縮めることになる。

優の大学は、日本でも上位に入るほど雨の多いところにある。

だから、月に一度のデートのときや、バイク通学の優が雨で濡れてしまわないように通学時間などは晴れにしていた。

そのため、コントロールが難しくなり寿命を縮めてしまっていた。

2021年7月10日。

これが私の命日。

そんなとき、優から大事な話があるとLINEがきた。

どうしたの?と返信すると、好きな人ができたから別れてほしいと言われた。

2年半も付き合っていて、最近は喧嘩ばかりだったけど、愛し合っていると思っていた。

だから、なかなか受け入れられなくて、何も手につかず、生きているのか死んでいるのか分からないような状態だった。
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