車窓を流れる雨粒のように
〔太陽side〕

俺は今まで彼女ができたことがない。

いいところまでいって手を繋がれたことはあるが、人見知りで女の子とはまともに話せないという性格のせいか自分に自信もなく、告白なんてできるはずもなかった。

高校卒業後すぐに就職した俺は、そんな自分を変えたいと努力していた。

ファッションに気をつかってみたり、マッチングアプリを始めてみたりして、積極的に彼女をつくろうと頑張った。

だが、会うところまでいっても、話が続かなかったり価値観が合わなかったりして、なかなか上手くいかなかった。

そんなときに出会ったのが月だった。

月とは、マッチングしてから毎日のようにLINEをして、話せば話すほど共通点が多いことや、価値観が似ているなと思うことが多かった。

そして、俺が会いたいと言うと月も会いたいと言ってくれたので、土曜日に会うことになった。
< 3 / 21 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop