車窓を流れる雨粒のように
〔太陽side〕

ついに土曜日がきてしまった。

俺は、緊張からか早く着いてしまった。

月はどんな服装でくるのかなとかドキドキしながら待っていると、黒のワンピースを着た小柄な女の子が近づいてきた。

俺は月だとすぐに分かった。

月?

太陽?

そうだよ。

俺がそう言うと月は恥ずかしそうに背を向け歩きだした。

何食べる?

月が話しかけてくれているのに、俺は食べたいものが全く思いつかなくて困っていた。

見てから決める?

困っているのに気付いたのか、また月から話しかけてくれた。

俺は、たったこれだけの会話で話しやすいなと思った。
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